メールの内容は、
「オッサンを一人、八ヶ岳にガイドしてあげてください。
口は悪いですが悪い人ではありません。
本人は主稜を登りたいと言っていますが、どーかな?
入山の様子を観て花谷くんが決めてくれていいと思います。」
お。もしかしてお客様を紹介してくれたのかな?
持つべきものは友達だなあ。。。ありがたいなあ。。。
しかし、読み進めていくとどうも様子が違う。
続きにはこんな内容が。
「ただ、一つ問題は、このオッサン、数ヶ月前に高いところから落っこって
背骨やら肋骨やらを折ってしまって対外的にはリハビリ中の要安静ってことになっています。
怪我以来、初の登山なので、途中で、疲れた!とかワガママを言い出すかもしれません。
特に、荷物はまったく持てません。空身で登らせてください。
どうでしょう??
受注してくれますか??」
あー!なるほどね!
そういうことね!
大歓迎です。いざとなったらどこからでも担ぎ下ろしますよ!お任せ下さい!
ってな感じで、このお仕事、謹んでお受けいたしました。

このオッサンの正体は、登山家の竹内洋岳氏。
今や日本人ヒマラヤニストの第一人者です。
しかし、昨年の遠征で事故に遭い、そこから奇跡の(本当に奇跡の!)生還。
その模様はユニークな文章でおなじみの竹内さんのブログで読むことができますが、
話を聞けば聞くほど「よく生きてたなあ」という内容です。
竹内さんのブログはこちらから
まあでもこのオッサンに限って、途中でダメになることはあるまい。
そう思いつつも、万が一動けなくなったらどう下ろそうか。。。
そういうシュミレーションも描きつつ、本番を迎えました。
1月29日
朝10時に小淵沢駅で待ち合わせ。
久しぶりにお会いしたけど、以前と変わらない様子。とても半年前に背骨を折った人とは思えない。
ご依頼通り、ほぼ全ての荷物を僕が担いでの入山。
歩き出してすぐに思いました。
絶対に大丈夫!
歩くペースが早いの何の。息も乱れる様子はないし、何よりも山の中にいるのが楽しくて仕方がない様子。隣で歩いている僕も楽しくてしょうがない。
話が盛り上がって、あっという間に赤岳鉱泉に着いてしまいました。
この日はアプローチだけ。
興奮の登攀の様子は、次回後編にてお伝えいたします。
その前に、予告編を少々。。。
それでは続編をお楽しみに!
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